トコトコ中国バスの旅

 

Update : 2018.11.17

 

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▼北京一卡通編 #88

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【旅日記】

2018.11.17(土)  黄岩口から天空の村へ

今週は蘭州へ出張。青海湖の帰りに立ち寄って以来なので10年振り。懐かしい。黄河を抱くこの街を初めて訪れたのは’97年。今回が56度目か?街はおろか、郊外も大変貌。以前は郊外のあちこちで目にした洞窟住居の跡が姿を消し、高層ビルや高速道路に変わった。21年前に非常階段で締め出された蘭州飛天大酒店に今回も宿泊。このホテルは全く変わっておらず感慨深かった。

 

この冬初めてダウンのコートを着たが、細かな雪が降り続きとても寒かった。

蘭州と言えば牛肉面。他では蘭州拉面と言うが、ここでは牛肉麺。町中にある。以前よりも随分増えた気がする。初日の夕飯は牛肉面セット。これで何と20元!この後、4食続けてホテルで牛肉面を食べることになるとは、、、

 

蘭州の楽しみは天水路の銀杏担担麺だった。随分前に無くなったのだが、復活を期待し夜の街へ出掛けてみた。結果は、言わずと知れた惨敗。代わりに砂鍋の店を見つけ、さんざん迷った挙句、体調管理のためにパス。担担麺なら迷わず食べたに違いない。

7:15 アパートを出発。目的地は、雑誌で見つけた密雲区北庄鎮黄岩口村。ラベンダー畑を見つけたれなかった北庄鎮の一番奥。自然、長城、民宿、興味をそそられ、東直門バスターミナルから980快に乗車。

 

8:37 地図アプリは密雲西大橋で密33路への乗り換えを案内するが、7番目のバス停のため座席を確保できないリスクがあり、一つ手前の密雲少年宮で下車。徒歩で密33路が発車する密雲西戦電器バスターミナルへ向った。

いつも気になる月と星マークの門前を通過。

8:47 バスターミナルへ到着。密33路は未だ準備していない。

時刻表を探し確認。

地図アプリでは9:30発だったが、10分遅い9:40分発。西大橋で待っていたら、ヤキモキしたことだろう。

発車まで随分時間があったのでマクドナルドへ行き、トイレと朝食。

7元のハムマフィンとコーヒーのコンビをオーダー。先ずハムマフィンに噛り付き、続いてコーヒーの蓋を開けた。泡がやけに白っぽい。口に入れると、豆乳じゃ!

オーダー表は確かにコーヒー。まったくもう。普通なら文句を言って交換させるが、そのまま飲むことにした。理由は2つ。1つ目は、自分からは絶対にオーダーしないので試しに味わってみたかった。2つ目は、お替りコーヒーが復活しているのを見ていたから。

甘ったるい豆乳を飲み干し、コーヒーを注いでテイクアウト。外を歩き始めてからコーヒーを口に運んだ。注いでいる時に温そうだったが、やっぱり温かった。味も今一つ。まあ、コンビが7元でドリンク2杯だから文句は言えないか。

9:29 少し早目にバスターミナルへ戻った。今度は密33路のサインを出したバスがいた。搭乗口には既に列。一番後ろに並んで待った。

 

9:40 定刻に出発。一番後ろの窓側に陣取った。

案の定、西大橋より前に座席は埋まった。

 

980快で後ろの席に座り、シートバックをグリグリ押して来たトレッキングスタイルのバカ娘グループが西大橋で乗って来た。同じ少年宮で降りたので別の目的地だと思っていたが、どうも最後まで一緒の様だ。しかし、向こうは立ち乗り。ハハハ。

10:23 密雲ダムが見えた。つい3日前、北京の空は重度の汚染だった。蘭州に行っていたので自分で見た訳ではないが、酷かったそうだ。翌日、強風で吹き飛ばし市内から星が見えるほど綺麗になった。今朝、アパートを出発した時には少し靄が掛かり心配したが、見事に晴れ渡り良かった。

 

10:40 密雲へ向う密33路と擦れ違った。出発時刻を確認すると、10:00。ここまで40分、目的地には11:20頃到着することが分かった。

11:05 北庄鎮の中心を越えた。ここから先は初めて。どんな所か期待が膨らむ。

 

と、ワクワクしていたのも束の間、道路の舗装が荒れ、バスが上下左右に揺れる。しかも、最後尾に乗っていたので、ドカン!ドカン!と何発も激しいショックに見舞われた。ここで、帰りは前輪と後輪の中間に座ろうと決めた。

長城が見えた。何カ所目だろうか?

背中に「JAPAN POST」って、何者?日本から古着が来ているのか?

11:17 黄岩口へ到着。終点とアナウンスされていたが、数名乗ったまま先に進んで行った。バスのサインは、数km手前の楊家堡。地図アプリのバスルートも楊家堡止まりだったので歩きを覚悟して来た。それは良い方に裏切られて黄岩口まで来たのは有り難かったが、良く分からないことが多くて困る。

 

観光バスが来るほどの所だったとは。期待が持てる。

 

33路は直ぐ先の広場に停まった。

長城に登りたい。しかし、アクセスルートが分からない。先ずは村の中へ行ってみることにした。

数十人の小さな村。その多くはお年寄り。

今も現役。

出来上がり。

雑誌で紹介されていた山里逸居。いわゆる民宿。

改装したばかりでとても綺麗。田舎料理も美味しいらしい。

素晴らしい風景を眺めながら、ゆったり過ごしたいもの。

山里逸居の脇に長城のプレート。大黄岩口水関遺跡。

夏に来るのが良さそう。

長城のプレートに山道。サインは無いが、登るしかない。

ここは城跡。ガッチリした石垣が見える。

煉瓦沿いに進んでみたが、城跡より先には進めない様子だったのでUターンして降りた。

大黄岩河が堰き止められてできた水庫。自然そのもの。長城へのアクセスルートを探し先へ進んだ。

少し先で振り返ると、バスを降りた時に見えた長城の裏側に来ていた。いったいどこから登るの?

そうこうするうちに、河北省に入ってしまった。

 

ここに右折路があったので右折。

 

交差点の赤いバナーの下に「千年古松」の看板あり。

早速上り始めた。しかも、険しい崖の間を進むことに。

 

岩肌には地層がクッキリ。幾らでも化石が出てきそう。

所々にペンションがあった。しかし、時期外れだからか営業していなかった。

一向に長城へのアクセスルートが見つからない。それどころか、どんどん離れている気がする。

 

しかも、勾配がキツイ。

長城には登るつもりだったが、まさか本格的な山登りになるとは、、、

そろそろ引き返そうかと思っていたら、前から中高年の団体が来た。恐らく観光バスで来た人達だろう。「一人で来たのか?」と声を掛けて来るオヤジも。これで気合が入り、長城ならぬ頂上まで頑張ることにした。

 

しかし、進めば進むほど勾配がキツクなる。帰りのバスの時間も考えると、あと10分ぐらいでUターンかと思っていたら、山の上に屋根が見えたので、そこまで頑張ることにした。

ここもペンションかと思ったら、民家だったのでビックリ。集落の入口に「千年古井」。雪解け水が源泉。千年前からこの山の中、しかも頂上近くで暮らしていた人がいるとは驚き。

 

ここにいたお婆さんに、「あとどれくらい?」と目的地を言わずに聞いてみた。すると、「そこよ」と指差した。

見ると、大きな松。看板を見た「千年古松」だ。

 

この道を登る人の目的地はこの松だったようだ。

近付くと、老婆が座り込んで蜂蜜を売っていた。

良く登った。ヘトヘト。

コンクリートで舗装した道は千年古松で終わったが、更に先にも民家があった。

 

少し進んだ所で犬の吠える声を聞いた。低い声の質から、大型犬と想像。噛み付かれ手はシャレにならないので、ここでUターン。

12:35 松の根元に行ってみた。

1,900年以上の歴史がある≪南山不老松≫。

 

ここが南山山頂と言うことは分かったが、地図には出ていない。位置をGPSで確認すると、道路が消えた先の真っ白な所を指した。

天空の村。驚きの一言!

帰りは楽かと思いきや、ブレーキを掛けながら下ることで足への負担は大きく、筋肉が悲鳴を上げた。

真冬はカチカチになるのだろう。

羊を満載したトラックが、河北省方向へ頭を向けて停まっていた。河北省の入口にあった動物検疫所が閉まるのを待っていたのか?

 

前を歩いていたグループが運転手に声を掛けたら、降りて来て会話が始まった。黄岩口村には野菜と豚肉の移動販売車がいた。このトラックも同じ?この人達が買うことは無いと思うが。

13:27 ほぼ予定の時間に黄岩口村へ戻って来た。既にバスもいる。これでひと安心。

 

発車まで時間があるのでバスを降りた村の入口へ向った。

 

観光バスが来る所だが、民宿以外はお金が落ちる店が全くない。素朴で良いが、時に困る。

長城を眺めていたら、山肌を登る人が見えた。暫く眺めていると、どんどん登って行く。別の人が、長城を登る姿も見えた。バスを降りた目の前がアクセスルートだったとは、、、最終バスは15:40発。時間は十分あるが、もう足が付いて行かず断念。

14:00 村の衛生室前に停まっていた密33路は定刻に出発。席はもちろん前輪と後輪の真ん中。

 

密雲汽車站の次の密雲新農村で980快に乗り換え。どちらのバスも快調に走り、見込み通り17:00に東直門バスターミナルへ帰って来た。

帰りのバスでは夕飯をどうするかばかり考えていた。色々浮かんだが、寒くなったのでしゃぶしゃぶに決めた。久し振りに東直門バスターミナル内の呷哺呷哺へ行ってみると、メニューも値段も変わっていた。牛肉・野菜セット、拉面、生ビール×270元。満腹ちょい手前。たまには良い。

 

本日の歩行距離15.9km21,935歩。上った階数99階。雑誌が紹介していた通り、黄岩口村は良い所だった。そして、偶然辿り着いた南山は驚くべき所だった。目的地探しに苦労するようになったが、まだまだ素晴らしい所があるに違いない。頑張って探そう!



 

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