トコトコ中国バスの旅 |
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▼山海関
− 念願だった万里の長城最東端
【旅日記】
2019.6.7(金) ドキドキしながら出発したら、、、
7:25 アパートを出発。目的地は、長年温めていた山海関。北京から東へ約300km。流石にいつものバスは走っていない。前門から出ているツアーで行くことも考えたことがあるが、中々踏ん切りがつかなかった。今週は端午節で3連休。一日休みが増えると、心に余裕が生まれ嬉しい。日曜の朝は歯医者へ行く予定があるが、日帰り出来なくても間に合うので思い切って行ってみることにした。 ルートは、東直門→北京空港T3→秦皇島長途汽車站→山海関。秦皇島までのバスは他にもあるが、停車站が少なく最も時間が安定していそうな空港バスを選択。 東直門バスターミナルのマクドナルドで6元の朝マックを購入し、秦皇島から山海関は路線バス用の小銭を準備。 |
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7:55 やっと850快が来た。これで空港へ。 下調べでは、秦皇島行の始発は9:30。遅れることは無いだろう。 |
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8:39 北京空港T3に一番近い崗山村で下車。ここから少々徒歩。 地下鉄空港線で来ると25元。このバスなら、一卡通で支払うと半額になり2.5元。荷物が少なく、時間に余裕があるならバスが良い。 |
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8:50 T3に到着。 9:30と言わず、9:00に発車しないかなぁ〜と思いながら前進。 |
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高速道路は混んでいたが、バスターミナルは混雑している様子なし。 昔は空港バスに良く乗った。あの頃はとても混んでいたが、地下鉄ができ勢力図が変わったのだろう。 |
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チケット売り場の看板の左下に「秦皇島」があった。値段は下調べ通り140元。しかし、ここでは北京市外へのチケットは販売していない。 おやおや?始発が10:00だ! 4時間掛かるようなので、ここでの30分ロスは大きい。 |
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バス停はココ。ベンチの人は10:00の発車を待っているのか?少ないなぁ〜。 チケットは空港ビル1F隅っこの小さなカウンターで販売。 |
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列に並び順番が来た。「秦皇島、10:00は有る?」と告げると、無情にも「13:00」との答え。 これでは時間通り着いても17:00なので、間髪入れず手を横に振り「不要了」と告げ外に出た。 崗山村バス停までトボトボ歩きながら、平谷から黄崖関へ行ってみようと思いルートを調べると、とても時間が掛かることが分かりパス。他にも考えたが、良い所が見つからず、天気もパッとしないので帰ることにし850快に乗車。 3連休の初日がとんでもない事になった! |
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帰りの850快で鉄道の時間を調べてみた。先ず夜出発、朝着。これは良い時間に着くのが無かった。次は早朝発。良いのが幾つか有る。特に、北京6:39発、山海関9:19着のD21は良い。しかも、二等席が92.5元と、バスより50元近く安くて1時間半も早く着く! これを発見してしまったら、もう止まらない。しかし、鉄道のチケット購入には問題がある。アプリで買うのだが、支払いのパスワードを覚えていない。もう一つ、アプリに登録してあるパスポートNo.が更新前のモノで、以前変更を試みたがID情報なので出来なかった。パスポートを2冊持って行かなければならず煩わしい。 |
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ところが、今日は冴えていた。 先ずパスポート。鉄道のアプリは、自分以外のチケットも買える。それには事前登録が必要。その登録に、新しいパスポートNo.で追加登録してみたら、見事出来た。 次にD21のチケット確保。問題なし。そして支払い。先月末、とある送別会で WeChat Pay の割り勘請求が来た。これまで頑なにキャッシュを貫いて来たが、とうとうデビュー。これが転機、何の事は無い、指紋認証で支払完了。 最後はチケットの受け取り。朝でも良いが、北京駅から乗るのは3年振りで少々不安。時間はタップリあるので受け取りに行った。自動機は相変わらず使えなかったが、自動機前のカウンターで聞いたら難なく出してくれた。 |
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以前は、售票庁で横入りにカッカしながら中々進まない行列に並んで受け取らなければならなかったが、大きく改善されていて驚いた。 順調に行ったので、北京明城壁遺跡公園を散策して帰ることにした。チョイチョイ通るが、散策するのは初めての様な気がする。壁の上部が崩れているのは盗難に遭ったから?パネルが落ちているのは、腐ったから。 さあ、明日はいよいよ山海関だ。 |
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2019.6.8(金) 2日目は極めて順調 |
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5:00 アパートを出発。随分早いと思うが、念には念を入れて左家庄を5:00に出発する24路の始発を狙う。 5:09 計画通り乗車。流石にバスの中も道路もガラガラ。 |
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5:28 北京駅へ到着。ここもまだ混雑前。 |
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駅前広場では雑魚寝で朝を迎えたオヤジ達。雨さえ降らなければ、この時期快眠できそう。 |
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駅に入る前にチケットと身分証明証のチェック。 どりらもカードリーダーに翳すだけだが、恐らく無理なのでリーダーの横に立っている係員に「パスポート」声を掛けたら「15番」と返って来た。やはり、ダメ。冊子からカードに去年切り換わった外国人工作証で通れるようにしてくれればいいのだが、、、 |
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手荷物検査を経て入場。早速横入りしようとするババアがいたので阻止。朝から気分が悪い。 北京駅から火車に初めて乗ったのは’96年の国慶節。電光掲示板が、オレンジの点から変わったことと掲示や飲食店が増えが賑やかになったが、骨格は変わらない。あの頃が懐かしい。 |
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5:35 早速2階の待合室へ向った。 ごった返しているのが遠くからでも分かる。 |
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空港のマクドナルドは特別料金。駅は? やはり特別料金。6元の朝マックが有れば食べたが、、、 近くの吉野家は?気になるが開店前。 |
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改札前の待合は朝日と大勢の人で蒸し暑い。 |
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6:08 改札開始。長蛇の列。席は決まっているので慌てる必要は無い。列が短くなるまで日陰で待機。 アパート出発が随分早いと思ったが、順調に来て待合室での待機が30分弱だったことを考えると、良い時間だった。 |
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水族館の様な雰囲気の通路を通りホームへ向う。 |
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始発なので既に列車がいた。 |
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12号車は遠い。 |
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想定内の悪い事態発生。 私の席に我が物顔でババアが座っていた。当然文句を言い退かした。その時、あろうことか私の足を踏みやがった!ムカついたので踏み返してやった。クソババアめ! |
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6:43 定刻から4分遅れて発車。そんなもんか。 今日も天気は今一つ。海辺は青空であることを祈る。 |
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高鉄なので300kmhで走って行くのかと思ったら、154km/h以上は出さなかった。在来線と線路を共用しているからか? 乗り心地は良かったが、シート形状が今一つで腰が痛くなった。 |
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9:23 北京出発の4分遅れのまま山海関へ到着。遅れを取り戻す努力はしないようだ。 |
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やって来ました山海関。 こんなに簡単に、しかもこんな時間に来れてしまうとは、少し拍子抜け。改めて、昨日、北京空港で秦皇島行バスに乗れなくて良かったと思った。 立派な駅舎。售票処が工事中で閉まっていた。正面玄関も工事中。どこから入るのか気になるが、秦皇島から帰る気持ちの方が大きく、確認せず長城を目指した。 |
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駅前でバス停を発見。 4本のうち、25路が下調べした南海村に停まる。 待つこと5分ほど。あっさりバスが来た。実に順調。 |
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25路は山海関火車站が始発。用意しておいた1元札2枚を料金箱に投入して乗車。 一つ目の停留所が天下第一関。第2目的地も迷わず行けることが分かった。 ゆったり走り始めたバスだったが、ほどなくして満員、すし詰めの一歩手前まで行った。 |
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そんな乗客が、「老龍頭」で大量に下車。南海村は次。もしかしたら、一緒に降りることが正解?そんな思いを抱きながら下車しなかったが、発車して間もなく、前方にそれらしい風景が見えた。しまった!降りておけば良かった。 南海村を勧めたのは、調べ方が秦皇島火車站からのルートだったからだ。山海関火車站で調べれば良かった。 悲劇は更に続く。南海村で降りようとドアの前に立っていたが、止らない!何と、押しボタンを押さないと止まらない仕組みだった!ボタンは良く見るが、機能しているバスは初。結局、2区間近く歩いて戻る事になってしまった。 |
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9:51 山海関水務局で下車。 S364龍海大道を歩く。いつものスタイルになった。 |
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燕塞湖から続く石河支流の橋に差し掛かると、磯の香りがした。海が近い。 |
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10:04 この先を右へ500m。同じ方向へ向うマイカーが多い。 |
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残念!凄い人!皆さん3連休だからね。 北京の長城との違いは、観光バスがいないこと。 チケット売り場はごった返していたが、割り合い要領が良く直ぐに私の順番になった。「門票1枚」と告げると「何歳?」と年齢を聞かれた。詳しくは分からないが、老人は割引が有るのだろう。それほど年寄りに見えたのか?ガッカリだ。5-10月のハイシーズンは料金が倍。50元だった。 |
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寧海城北門。念願の山海関に着いた。 あなた方も念願だった? |
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守備署 |
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龍武営 |
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監獄。小さい。 裁判の裁定板。 粥房。超特大鍋。大勢警備に当たっていたのだろう。 |
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迷路。これは、、、 西門。立派! 徐達将台。明朝開国軍事統帥。 |
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渤海に建つ海神廟 牌坊と海神殿 そして、東に第1目的地の入海石城。ワクワクする。 |
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天后宮 観海亭 観海亭から見た入海石城。ボートで海から見ることもできる。 |
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ボートに乗ると、この風景。 海の家から焼イカの香り。そそられる。 明長城地理信息標石 |
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左から、澄海楼、南海口関、靖卤台、入海石城 引き潮で岩が現れ反対側へ行ける。ラッキー! |
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海に浮かぶ長城とはいかなかったが、感慨は一入。 さあ、登城! |
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久々に人で賑わう長城へ来た。 ここから先は海。 |
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霞が掛かり視えないが、この先は奈良? |
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澄海楼。中には入れるが、残念ながら登れない。 城壁は濱海長城へと続く。 |
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1900年、英・美・徳・意・日・法・俄 8ヶ国が山海関へ侵入、、、 城壁を歩き、適当な所で降りようと歩き始めたが、適当な所が無く、ぐるり一周。 |
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濱海長城との境に頑丈なフェンスと鉄条網。その向うを歩く2人は何者? 老龍頭から25路に乗車し、天下第一関で下車。突き当りに山海関火車站が見える。 |
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ところが、天下第一関なのか分からない。 道路標識に従い進むと、駐車場。そこから人が歩いて来るし。 結局、随分前に通り過ぎた駐車場の入口が、古城入口だった。 |
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入場料40元。見た感じ、城壁の上を歩くだけ。ちょっと様子見。 天下第一関らしき楼閣が現れた。しかし、頑丈な柵が行く手を阻む。 |
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土産物屋街を、古城中心に向かって進むと、天下第一関の道標があった。 お〜出た!これこれ、この姿。天気が良い日には、山を背にした絶景が鐘鼓楼から見える。 |
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入場を様子見して良かった。外からでも十分見えるし、中に入ると、この景色には出会えない。 鐘鼓楼も40元の内。 城内は土産物や食べ物屋が軒を連ねる。 |
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腹が減っていた所に、椅子に寝かしたマイクから「一根面、一根面、、、」と大音量の連続攻撃を受けホールドアップ。 15元の面は良いにしろ、温くて10元のビールは高いよ! |
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古城には、この小さな南門から入るのがベスト。 南門を出た所で帰りの手段を検討。先ず「山海関→北京」で調べたら、15:15発D74の二等席に空きがあった。 |
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今朝と同じD(動車)なので、この路線では最速。17:47北京着。ここまで確認し、直ぐに購入手続き。92.5元を支払い、アッと言う間に帰りの足が決まった。何と便利な時代になったことか。 13:09 今朝見た駅舎の工事が気になり、先ず山海関火車站へ切符を取に行った。悪い予感的中!今朝出来来た北側は、出口以外は封鎖されており、乗りたければ南站へ行けと書いてある。しかし、どうやって行くのか書いてない。何たる不親切。出口の近くにあったインフォメーションで聞いてみると「歩いて行くのか、タクシーで行くのか?歩くなら30分」との答え。「歩く」と言い、道を聞いた。 13:25 南站へ到着。言うほど掛からなかったが、送迎バスぐらい用意せんかい!窓口に並ぶが全く進まない。やっと順番が来たら、係員がボケていて「席が無い」といってパスポートを投げて寄越した。その後少々バトル。 |
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切符を取ったら、列車の時間まで改めて散策しようと思っていたが、南站の周りは住宅ばかりで出歩いても草臥れるだけなので中止。随分早いが、クーラーの効いた待合室で待機。 そこで、前の席で一根面を食べていたオバちゃんに再会。誰一人知らない所で、なんだか親近感が湧いた。 15:12 定刻に到着。北京にも定刻着。吉林発だから、相当な距離を走って来て定刻運行は素晴らしい。良くなかったのは隣の席。今度は若い兄ちゃん。肘を出して来たり、大きな音で動画を見たりするのでまたバトル。値段が高い高鉄と言えども、乗客の質はよろしくない。これが鉄旅最大の問題。 |
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夕飯のメニューを考えながら帰ってきた。幾つか考えた中で「肉が喰いたい」から、すき家で牛丼にした。 北京駅前から、待ち時間ゼロで24路に乗車。アパート前では降りず、終点の左家庄まで乗車。コンビニの輸入ビールが並ぶ棚から冷えたカールスバーグを買い、すき家へ持ち込み。生き返った〜!ラジオの影響で、令和最初のランチが吉野家だった。もちろん日本で。思い出して比べると、肉の質も厚みも相当違う。ブランドか場所か、理由は分からないが令和初ランチが随分上だった。大盛20元だから値段な随分安い。 食べ終わり、ビールの缶を眺めていたら、漢字が見えた。シールではない。アレレ?良く見ると、産地は広東省。上手く騙された。しかし、味は良かった。日系合弁よりも少し安く、味も満足。 |
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今回は久々の遠出。掟破りの鉄道を使い、0泊2日のへんてこな旅だったが、世界が拡がった気がする。山海関景区は見所が分かれていた。歩くには遠過ぎるが、25路が両者を繋ぎ、本数も多いので使い勝手が良い。どちらも見応えがあり、意を決して行ってみて良かった。行ってみると、心配とは裏腹に至って簡単で順調。時代が大きく変わっていることを痛感した。早くて便利になった鉄道をどんどん使って、行動範囲を拡げて行こうと思う。 インフォメーションでは教えてくれなかったが、北站から南站移動する最良の方法は、25路で「秦皇島工人医院」まで行くことだと、歩いてみて分かった。 本日の歩行距離16.5km、26,340歩。上った階数15階。遠出でこれほど歩くとは驚き。椅子に座っていた時間と合わせ、腰が悲鳴を上げるのも頷ける。 |